リノベーションは、ターゲットやコンセプトを再設定する良い機会です。改めて「誰に、どんなサービスを、どのように提供するか？」など、ターゲットを明確しコンセプトを決めましょう。ターゲットやコンセプトを明確にすることで診療方針は大きく変わります。どのような病院・クリニックであるべきか、どのような診療方針に則ってどんな医療を提供するのか、患者様や地域にどのような貢献をするのかを決めることで、患者様からもわかりやすく、スタッフも同じ方向を向いて仕事をすることが可能になります。

病院・クリニックの内装・デザインのポイントは以下の5つです。リノベーションをする時は、下記のことを意識しましょう。

1.コンセプトに沿った内装・デザインになっているか
・建物の外観や内観のイメージと提供内容のイメージを合わせる
2.清潔感のある空間デザインになっているか
・清潔感が感じられる色使いや、デザインを用いた内装にする
・メンテナンスがしやすい内装・デザインにする
3.動線を考慮したレイアウト設計になっているか
・患者様の動線を考慮し、移動距離を少なくすることでストレス軽減に繋げる。
・スタッフの動線を考慮し、作業効率を上げ、運営効率の最適化に繋げる。
・患者様とスタッフの動線が極力交わらないレイアウトにする
4.待ち時間は快適に過ごせる空間になっているか
・診療を受けに来る患者様が不安やストレスを感じない内装・デザインにする
5.プライバシーの確保がされているか
・診察室の防音設計をすることで待合室に診察内容が聴こえないようにする
・待合室から診察室は見えないようにする

いざリノベーションをしたくても休診することができず、リノベーションの計画が立てられないと悩むケースが多いのではないでしょうか。実は、リノベーションは段階的に実施することが可能なため、しっかりとした計画を立てることで休診する必要はありません。多くの病院施設は老朽化が進み耐震化率も低いことや、近年発生した大地震などの災害時において病院の医業継続性は地域にとって非常に重要です。病院・クリニックは定期的にリノベーションを実施する必要があります。

病院・クリニックをリノベーションをする際には、多くの法律が関わることになります。その中でも最も重要なのが建築基準法です。建築基準法とは、建築物を建てる上で基本となる法律で、敷地や構造、設備、用途に関する最低の基準を定めています。また、病院は特殊建築物のため、立地条件や防火設備、構造など厳しく制限されています。その他、消防法や医療法、バリアフリー法、都市条例などがありますので専門家に相談することが必要です。

医療の進化に合わせ、最新のテクノロジーを導入することで診察や治療の精度向上が期待できますが、リノベーションを実施するタイミングに合わせて導入する病院・クリニックは多いです。まずは予約システムや自動精算機などを活用し、効率的な医療サービスを提供できるようにしましょう。